青色蛍光色素は紫外線を吸収して400~500nmの青色光を発光する材料であり、波長変換材料、蛍光増白剤、有機EL材料など、さまざまな分野の材料として使用されています。このたび弊社では、これまでに無かった、太陽光下においても長期の安定性を示す、高耐光性青色蛍光色素を開発いたしました。
青色蛍光色素はバンドギャップが大きいために、一般的に耐光性が低く、太陽光下において短時間で分解して効果が低下することから、その使用方法は大きく制限されていました。弊社では分子設計において、導入する置換基やそれらの結合様式によって励起状態を制御することで、実用的な青色蛍光性と高耐光性を両立した、高耐光性青色蛍光色素を開発いたしました。開発した高耐光性青色蛍光色素は各種樹脂との相溶性が高く、ポリカーボネートフィルム中においては、300~400nmの紫外領域全体を強く吸収して、最大発光波長444nmで青色発光し、吸収と発光の重なりが小さいことから自己吸収が起こりにくく、32%の実用的な量子収率を示します。また、キセノンウェザーメーターを用いた促進耐光性試験においては、従来の青色蛍光色素が時間とともに分解して大きく残存率が低下するのに対して、開発した高耐光性青色蛍光色素は分解がほとんど起こらずに高い耐光性を示します。よって、太陽光下においても長期間使用することができ、太陽電池や農業用の波長変換材料や、樹脂用の蛍光増白剤として、好適に使用できます。
ポリカーボネートフィルム中の特性(添加量0.2wt%、膜厚0.05mm)
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